相続税の延納と物納を知ろう

相続税に関しては近年高い注目を集めています。
なぜかというと税制が改正され、今まで相続税の心配が無かった方でも今後は税金を支払う必要があるケースも増えることからです。
平成27年度の改正により、相続税の基礎控除が約6割減額されているのです。
そのため法改正前では国民の4.2%が相続税の対象となっていましたが、基礎控除の減額により6%以上まで上昇するという試算もされています。
約2%以上の方が今後は相続税を支払う必要があり、どのようにして相続税を支払っていくのかを考える必要があるでしょう。

被相続人から遺産を相続する場合、相続財産の額によっては相続税が発生します。
相続人の数や、相続に関するケースによって変動しますが、一般的には相続額が大きくなればなるほど納付する相続税も大きくなります。
このことから相続する遺産によって、支払う相続税も異なります。
場合によっては相続税を納付することができないということに陥る方もいるでしょう。
相続税は相続する財産が確定しその額に応じて税率がかかり決定します。
相続税は原則的に現金で一括で納付することが決められています。
もし相続税を納付することができない場合にはどのように対応したら良いのでしょうか。

相続税が一括で現金で納付することができない場合には、延納、物納、不動産を売却するの3つの方法で対処することができます。
まず延納とは相続税を分割して納付するという方法です。
相続税を一括で納付するのが困難な場合は、申請書や必要書類をまとめたうえで税務署へ提出します。
税務署長によって認められることで延納を行うことが可能になります。
分割で相続税を納付することができ、最長で20年間に渡って相続税を払っていくことが出来ます。
長期間に渡って支払うことができ、一括で支払うことが難しい時にはぜひ活用したい制度です。
しかし延納の期間は延納の税額に対して利子税がかかってしまうことです。
そのため場合によっては金融機関などからお金を借りて一括で支払ったほうが安価で抑えられることもあります。

次に物納について、物納とは相続税を現金で一括納付するのが難しいと認められた場合に住居や土地、不動産で納付することが可能になるものです。
物納は延納とは異なり、一定の要件を満たす場合のみ認められます。
延納の場合は現金で納付していくので申請書に一括納付が難しい理由を記載することで審査されますが、物納の場合には不動産で納付するのでその不動産が許可できるものかどうかなど含めて審査が多くあるためです。
物納で相続税を納付するメリットは何と言っても保有している不動産をそのまま納付できるという点です。
一般的に不動産などを売却すると譲渡所得税が発生しますので、その税金を非課税とすることができるので結果的にお得になります。
しかしデメリットになる点は物納の申請の手続きが個人で行うのは難しいことや、審査され許可が出るまでにかなりの時間がかかることもあります。
もちろんその間は相続税額に利子税が発生します。
また不動産の評価額が市場価格ではなく申告時の評価額になってしまう点も注意が必要なポイントです。

そして不動産を売却して相続税を納付するという方法もあります。
不動産を売却し、その売却金額を相続税に充てます。
不動産を売却し相続税を納付する際のメリットとして、相続によって取得した相続財産である場合には相続後から相続税の申告期限3年以内に譲渡した場合に相続税の取得費加算の特例を利用することができる点です。
この特例を活用することで税金自体を減額することができ、いくらか払いやすくなります。
不動産を売却して相続税を納付する場合には譲渡所得税が発生するので注意が必要です。
所得税に含めて住民税も発生しますので最低20%以上の税金が発生するのが物納に比べてもデメリットになっています。
そして相続税を支払うために不動産売却する場合には、納付期限までに行わなければならないのも注意が必要です。
10ヶ月以内には不動産を売却し納付を行わければならず、こちらも延納や物納に比べてやや期間がシビアになっています。

もし相続税を一括で支払うことが出来ない場合にはこれらの手段を活用し納付を行います。
相続税が発生するのにも関わらず申告も納付も行わない場合には延滞税が発生します。
延滞税の種類に関しては、無申告加算税、過少申告加算税、延滞税、重加算税があり、いずれの場合も余計に税金を支払うことになります。
延滞税は最大40%以上となる加算になることもあり、結果としてかなり大きい税金額になってしまうことも考えられます。
そのため相続財産を受け取った場合には速やかに相続税に関する計算を行い、相続税を支払う必要があるのかどうかを判断しましょう。

もし相続税に関してどのようなアクションを起こしてよいのか判断がつかない場合には税金の専門家に相続税に関する相談や依頼・相続のサポートをお願いしてみるのが手段になります。