相続税の延納と納税猶予

投稿日: カテゴリー: 相続税延納、物納

相続税は遺産相続するときに発生する税金で定められた金額を超えると支払い義務があります。
相続税の対象となるのは相続した遺産の総額から基礎控除額を引いた金額で、基礎控除額を超えなければ課税対象にはなりません。
たとえば相続する遺産が8,000万円あって相続人が3人いた場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×3で4,800万円ですから、8,000万円から4,800万円を引いて3,200万円が相続税の対象になります。

そして相続税がかかる場合、高額になる可能性も高いため、一括での納付が難しいことも想定されます。
そういった場合は相続税の延納や納税猶予という制度を利用することができますから、万が一に備えてこれらの制度についても知っておいたほうがいいでしょう。
それではここから相続税の延納と納税猶予について説明していきます。

まず相続税の延納についてですが、こちらは4つの条件があります。
ひとつは相続税額が10万円を超えていること、ふたつめは金銭で納付することが難しい正当な理由があること、みっつめは申告期限に延納申告書を提出して、税務署長の許可があること、最後に納付が終わるまでの担保を用意できることです。
担保にできるものはあらかじめ決まっており、国債・地方債、税務署長が認めた社債やその他の有価証券、保険に附した建物、立木、登記される船舶など、土地、鉄道財団・工場財団など、税務署長が確実と認める保証人の保証があります。

次に納税猶予についてですが、これは農地の相続に適用される納税猶予制度と、非上場株式を相続した場合の納税猶予制度の2つがあります。
農地の相続に適用される納税猶予制度は「死亡の日まで農業経営を行っていた人が死亡した場合」「相続税の申告期限までに、相続か遺贈により取得した農地等で農業経営を開始し、その後も農業を継続すると認められる人」「相続人から相続又は遺贈を受けた農地等であること」「相続税の申告期限内に分割された農地等であること」「被相続人が農業用として農地等を使用していたものであること」「相続税の期限内申告書に、この制度の適用を受ける記載があること」が条件となります。

一方非上場株式に適用される納税猶予制度の条件は「被相続人が会社の代表者であったこと」「被相続人と同族関係者で発行済株式総数の50%超の株式を保有かつ同族内で筆頭株式であったこと」「会社の代表者となるのが相続人であること」「5年間事業を継続すること」「相続した対象株式を担保に供すること」「相続した対象株式を継続して保有すること」「中小企業基本法の中小企業であること」「個人資産の管理等を行う法人の利用等の租税回避行為目的の会社でないこと」「経済産業大臣の認定を受けること」「雇用の8割以上を維持すること」があげられます。