財産目録と減価償却累計額

投稿日: カテゴリー: 手続き

相続税の支払いが難しく、延納や物納を考えているときは、ひとまず財産目録を作ることをよくおすすめされます。
これで財産の内訳などを確認でき、延納や物納ができそうか判断しやすくなるためです。
このとき、この目録には減価償却累計額も載せた方がいいのでしょうか?

これについてはどちらでも構いませんが、効果的な資産運用を考えるなら、載せた方が効果的です。
ただし、相続税への対応のためには、無理に載せなくても問題はありません。

減価償却累計額とは、その資産でこれまでに計上した減価償却の合計額のことです。
減価償却とは、その資産を手に入れるために使った費用を、少しずつ経費として計上していくこと。
これは高額な資産で、なおかつ耐用年数が複数年に及ぶもので行われている方法です。
そのような資産を使って事業など行うとき、その資産を購入したときの費用は一度に経費として計上はせず、所定の方法に従い、少しずつ計上していきます。

相続財産でこれが行われていることの多いものは、たとえばマンションなどです。
賃貸マンションを建てて家賃収入を得ているとき、それは事業として扱われ、そのマンション建設にかかったお金は経費として計上できます。
これを計上すると、その年に得た家賃収入から経費分を差し引けるため、課税所得が低くなり、所得税が少なくなるのです。
ただし、一括では計上せず、毎年一定額を計上し続けるなど、マンション建設にかかった費用を少しずつ経費にしていく形となります。

このようにして減価償却中の資産を、相続財産として自分が受け取る場合、その資産には減価償却累計額があるはずです。
これがまだ少ない場合、その資産はまだあまり減価償却されておらず、自分が取得したら引き続き減価償却できることになります。
その累計額がすでに元値に近い額に達している場合、その資産の減価償却はほぼ終わっており、自分が取得後、あまりこの費用を計上できないことになります。

財産目録にこの減価償却累計額を含めて記載することで、このようなその後の資産運用の方針もわかるようになります。
ただし、これらが相続税の延納や物納に直接関係するかというと、それほどでもありません。
減価償却は主に所得税の計算のときに関係するもので、相続税にはそれほど関係しません。
つまり減価償却累計額を無理に財産目録に載せなくても、相続時には困らないことは多いです。

これを載せた方がいいのは、それら相続財産を使ってマンション経営などする予定の方です。
その場合はこれまでの減価償却額も確認の上、有利な資産を引き継いだ方がいいですから、これも目録に載せておくといいでしょう。